1.そのまま黙って燃えてくれ~天におわす神
耳の穴かっぽじってよ~く聴くとわかると思いますが(笑)
この曲の後半で歌われている歌詞は、シラーの「喜びのオード」から抜粋したテキストで、単刀直入に言うと、ベートヴェンの「第九」の歌詞です。
「グレンラガン」と言う作品が、そしてガイナックスというクリエイティブ集団が、「グレンラガン」と共に背負わされた業を思うとき、
音楽が彼らに、「作品」に、何を為せるか?音楽が、その業に対する答えとどのように共鳴するべきかと考えた結果が、
「第九」の歌詞を引用しながら、「第九」とは似ても似つかぬ音楽を作るということ、
そして「第九」の歌詞の意味を逆転させ、もともとの歌詞の意味とは、全く別の未来を予言するというかたちで像を結んだのでした。
ここでいう「星達の上に住みたもう神=Uber Sternen mus er wohnen」
とは、まぎれもなくアンチスパイラルの暗示です。
2.お約束ということで、ひとつ
「仕方ねえ、1分20秒だけ媚びてやる」は、僕自身としては、今まで作った音楽の中で、もっとも無念の思いを感じる曲なのですが(笑)
しかし、これが一番「グレンラガン」らしい「お約束」として捉えられているという事実を受け止めて、
このメロディーのバリエーションを用いて今回の映画用の音楽をいくつか作りました。この楽曲もその1つです。
どんな状況になっても、一度お約束を作ってしまった責任は取らないとね!
3.俺のXXXは宇宙一
この曲の前半でラップをやってくれたローレンス君は、前回のMCであるスポンテニアのタランチュラ君が紹介してくれました。
彼はこのリリックを書くために、丸二日かけてグレンラガンのDVDを全話視聴してくれる等、とても前向きに取り組んでくれた、良いMCでした。
残念ながら、映画本編の中では後半部分しか用いられてませんが、改めて日本人MCの層の厚さ、優秀さを感じた今回のレコーディングでした。
サントラでは、しっかりフルバージョンで入っていますので、是非聴いてみてください。
1968年生まれ。東京都出身。幼少の頃より作曲の手ほどきを受け、神奈川県合唱曲作曲コンクール、日本現代音楽協会作曲コンクール等で賞を受ける。東京芸術大学作曲科卒業後、作曲家、アレンジャーとして仕事を始め、ヴォーカルアルバムプロデュースから劇伴のサウンドプロデュースに至るまで幅広い活動を展開。1999年の『「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」追憶編』を契機に、現在まで多くのアニメーション作品の劇伴を手がけている。
仕様:CD 2枚組 品番:SVWC 7527~7528 価格:¥3,675(税込)